竜の王国シリーズ

女神に贈る竜の宝珠


伍 女神に贈る竜の宝珠


 足場の枝を蹴って飛び出してやろうとした瞬間、目前にいたトカゲの魔物の首に、何かが勢いよく突き刺さった。
 トカゲの体が傾ぐ。目標を失って、里珠は枝の上で均衡を崩した。
 報復する間もなく諸共に落ちるかと思ったが、体に絡みついた何かに力強く引っ張られ里珠は勢いよくひっくり返った。
 雲が流れ行く青空、里珠の視界の真ん中で、こちらを見下ろしてくる顔がある。今までに見たことないほど、その瞳は怒りを露わにして里珠を見据えていた。
 どうしてここにこの人がいるのだろう、と里珠はまず何よりも最初に思う。さっきの叫び声も、願望のあまり聞こえてきた幻かと思ったのに。
「し、お……」
 言葉が声にならない。里珠は呆気にとられて口を開閉させるしかなかった。
「一体どうするつもりだった?」
 問いかけてくる獅苑の声は、聞き慣れていたものよりずっと低く不機嫌そうで、里珠は言葉を飲み込む。きっと、この人は里珠が何をしようとしていたかなんてお見通しなのだろう、だからこそ、この声音なのだ。
 里珠の返事を待たず、獅苑はひとつため息をつくと里珠を手元へ引き寄せた。有無を言わさず抱きしめられて、里珠は目を瞬かせる。
 今、何がどうなっているのだろう。彼はなぜここにいるのか。自分はなぜ抱きしめられているのか。
 だが、里珠の背を引き寄せる手がわずかに震えているような気がして、里珠は静かに目を閉じた。
 また逢えるとは、こうして助けてもらえるとは、ほんの一瞬前まで考えもしなかった。


「殿下」
 背後から響いた別の声に、里珠はぱっと目を開ける。その声の主を確認する間もなく、里珠は背と膝から抱えあげられた。
「すまないが、代わりに護っていてくれるか」
「承知しました」
 頭の上で獅苑と誰かがやり取りをし、里珠の身体は宙に浮く。誰かに受け止められたとわかると里珠の身体は起こされて、目の前の獅苑と向き合う姿勢になった。飛竜に跨った、里珠の良く知る人。里珠は二頭の飛竜の上で器用に受け渡しされたらしい。
 そのまま二頭の距離が空く。獅苑は何も言わずに離れていったが、里珠はその姿から目を離せなかった。
 どうして、そんなに辛そうな表情をしているの。
 獅苑が周囲にいた飛竜に乗った兵士たちに声をかけると、指示を受けたらしい各々が二手に分かれ、里珠がいた樹のあたりへ向かう人と別の方角へ行く人とにばらけていく。

 里珠は預けられた飛竜の鞍の前に乗せられて、獅苑と同じくらいの年若い青年に護衛されている。
「申し訳ありません。下が落ち着くまで、しばらくこのまま旋回いたします」
「あの……どうしてこんなに人が……」
 里珠は後方の青年に尋ねていた。
 さっき里珠の視界に見えた限りでも、飛竜の数は片手でも足りない。獅苑が来たことだけでも驚きなのに、どうしたことなのだろう。
 青年は穏やかな声で答えてくれた。飛竜は緩やかに円を描きながら、森の上を旋回している。足元にはまだ魔物の咆哮がいくらか聞こえていた。
「私たちはこの地域に発生した『魔物の巣』の殲滅に来たのです」
「『魔物の巣』……ですか」
「ええ。あなた方と北の街道沿いを苦しめていた魔物たちの発生源です。まず我々はあなたに謝罪しなければなりません。殿下は読み違えをいたしました。ふたつの場所の空間の歪みはひとつに繋がっていて、ここで生まれた魔物たちがそこを通って街道沿いへ運ばれていたんです」
 西封周辺で発見される魔物の数が、北の街道沿いに現れる数より圧倒的に少なかったためにそこに思い至らなかった。数日前に隣国から魔物出現の報告を受けるようになってようやく気付いたのだと、青年は教えてくれた。
「通常『魔物の巣』も『扉』――空間の歪みですね、も自然に発生するものですので、『魔物の巣』から生まれた魔物の大半がそのまま『扉』に流れるように細工されているとは、考えもしなかったのです」
 その説明に里珠は納得した。
 あのとき獅苑は、『扉』を消せば魔物はこれ以上現れないと言ったのだ。だがそもそも魔物が生まれる大元がここにあって、里珠たちが消したあの空間の歪みが別の場所へ通じていただけならば腑に落ちる。
 あれだけの魔物が現れて里珠の元へ大挙してきたのは、隠れていたからではなく、『魔物の巣』から常に生み出されていたからだ。今まで見たことのない種類の、しかも知恵まで回る魔物が現れたのもわかる。時空の歪みを通って別の場所へ行くことができなくなったのだから、爆発的に森の中に魔物が溢れるのは当然だ。

「よく……わたしに気付きましたね」
「偶然でしたよ。何か横手で反射するのに気がついたのです。何かいるのかと思うと、あなたが下を睨みつけていて、そこから魔物の頭が見えていましたから」
 こう見えても視力だけは自信があるんです。もっとも女性であることまでしか分かりませんでしたけどね。青年は胸を張って言った。
 反射、というのはあの短剣を落としてしまったときのことだろう。万事休すだと思ったが、思いがけず大きな役目を果たしていたらしい。
 この人がいなければ、里珠は今頃トカゲの魔物と運命を共にしていたのだ。その瞬間まではやる気でいたが、思い出してみるとぞっとする。
「ありがとうございました」
 横を向いた形ではあるが里珠がお礼を言ってお辞儀をすると、不思議なことに忍び笑いが聞こえてきた。里珠が青年を見上げると、青年は視線に気づいたのか口元を隠すとひどく楽しそうに言った。
「その言葉はどうぞ殿下に言って差し上げてください。きっと喜ばれるかと思いますよ。『魔物の巣』の場所が特定できたときに、やけに焦っていらっしゃったのですが、理由がわかりました。樹の上にいるのがあなただとわかった殿下の狼狽っぷりは、そりゃもう見事でしたよ。いいものを見せていただきました」
 逆にお礼まで言われてしまい、里珠は困惑した。なんだかすごいことをいろいろ言われたような気がして。
「……殿下」
 一番気にかかった言葉を里珠は小さく反芻する。

 あのくらいの年齢で殿下と称される人は、現状たった一人だけだ。
 王位を継いだ若き竜王の弟だけ。
 獅苑という名をどこかで聞いた気がしたのは、当然だったのだ。
 里珠の住む辺境でも、それくらいのことは伝わってくる。常に戦場に出て竜とこの国に勝利をもたらす人。兄である竜王と対比して龍神と呼ばれる、戦場の守護神だ。戦場に借り出される、という程度の話ではない。むしろ重要な中心人物ではないか。
 そんな人がどうして都の北の方で大変な状況だったというのにわざわざここに来て里珠たちのことを助けてくれたりしたのだろう。里珠は自然と考え込んでしまう。  

 その思考を遮るように、青年は里珠を促した。
「終わったようですね。下に行きましょう」


 飛竜の上で里珠は足元の森を見下ろした。茂る葉の隙間、ところどころの開けた場所、見える限りの地面には累々と魔物が横たわっていて、里珠が登っていた木の周りには相当な数の魔物が集まっていたようだ。
「森の中に、あんなにいたんですね……」
 自分が置かれていた状況に気付くと一気に疲れが押し寄せてくるようだ。 
「あれだけの数に囲まれて、しかも目の前に魔物がいながら全くひるんでいなかったあなたは大したものですよ」
 ゆっくりと落ちる感覚がして、里珠の乗っている飛竜は森の開けた場所に降り立った。出迎えてくれたのは既に飛竜から降りている獅苑。
 そういえば、あの魔物の只中に落ちていった短剣はどうなったのだろう。里珠は我に返った。獅苑からもらったものなのに、鞘しか残っていない。
 もう一度獅苑を見て、その手に短剣が握られていることに気付く。あれは間違いなく里珠が落としたものだ。慌てて飛竜から降りようとして、だが里珠は足に力が入らず勢い良く転げ落ちた。どうやら緊張と疲労の限界らしく全く動けない。

「何をしてる、里珠殿」
 呆れ声の獅苑が助け起こしてくれるのに、里珠は黙って身を委ねるしかなかった。起こされた後もへたり込んだ状態のままで、目の前にしゃがみ込む獅苑を見上げるのが精一杯だった。
「あの木の根もとで魔物の首筋に刺さっていた。さすが『守護の女神』殿だ」
 そう話す獅苑の表情は、やっぱり辛そうなままだった。
 差し出された短剣を受け取って、里珠は安堵の息をもらす。戻ってきてよかった。光を反射して居所を知らせただけでなく、魔物まで仕留めていたとは、あのやけっぱちな祈りも無駄ではなかったということか。
 殿下、と遠くから呼び声がする。応じて獅苑は立ち上がり、里珠の視界から見えなくなった。
「『魔物の巣』、完全な消滅を確認しました。以降、残っている魔物の討伐にあたります」
「了解した。魔物は広範囲に散らばっている可能性がある。各自分担して捜索してくれ。国境付近においてはあちらの軍と協力してだ。両国から越境の許可は出ている」
「それと、いくらか新種の魔物が発見されているようです。言葉を話すものがいたとの報告もあります」
「そうか、『巣』は相当発達していたということだな。あとで上へ報告する」
 こうして指示を出す声を聞くと、本当に殿下――竜の長の一族として取りまとめる人なのだと里珠は思う。承知、という声と共に足音が去り、飛竜が舞い上がっていく音がして、後は静かになった。
 せめて立ち上がるべきだとは思ったが、全く足に力が入らず里珠はそのまま近付いてくる獅苑を見ているだけだった。獅苑は里珠の背後の飛竜に声をかけた。正確にはそこに騎乗している青年に、だ。
「霞炎」
「わかっています。副官として殿下の代理を務めましょう。彼女をきちんと送って差し上げてくださいね」
 笑い声が頭上から聞こえてくる。青年は里珠に向かって一言挨拶をするとあっという間に飛竜で飛び立って行った。
 あとに残されたのは、里珠と獅苑だけ。
 青年が飛び立つのを見送った獅苑は、そのまま視線を里珠に向ける。少しだけ、寂しそうな顔をしていた。
「すまなかった……余計なことに巻き込んだな」



 思いもよらない言葉に、里珠は目を瞬かせる。『魔物の巣』が見つけられなかったことなど、獅苑の落ち度ではないだろうに。
「殿下が謝られることなんて、何も」
「……今までの話し方でいい、里珠殿」
 一瞬動きを止め、それだけ言って獅苑は里珠の隣に腰を下ろした。獅苑の視線は里珠の足に向いている。
 素足のまま森の中を駆け抜け樹に登ったせいで、足の裏は傷だらけだった。これではしばらく洗濯もできまい。手も足も傷だらけ、きっと顔もだ。多分最初に獅苑と逢った時よりもひどい有様だと思う。気付くと全身のあちらこちらが痛み出す。傷と、限界を超えて全身を酷使したせいだろう。
「よく傷だけで済んだな」
 獅苑は里珠が腰に納めなおした短剣へ視線を移した。
「せめて何かあった時に竜の加護があればいいと思っていただけなんだが……言葉を話す魔物が何か言っていなかったか?」
 問われて、里珠は思い出そうとする。
「そういえば、わたしのことを竜の女、って言ってました」
「そうか……結局かかわりを知られれば同じことか、むしろ逆効果だったか……」
「獅苑様?」
 里珠の返答に獅苑は項垂れた。どうしたのだろうとあらためて最初の呼び方で呼びかけると、顔を上げた獅苑は苦笑していた。
「俺の素性はもうわかっているだろう。里珠殿が最初に俺と会ってからしばらく魔物が現れなかったのは、飛竜だけじゃなくて長の一族の俺がいたからだ。俺は魔物にとっては天敵そのものだからな」
 実際、二体魔物が現れてそれを倒した時、何かこちらを窺うような気配は感じられていたのだという。ただそれは魔物の気配ではなかったし、確かめる前に凄まじい勢いで逃げ去ったので、あえて深追いしなかったらしい。 
「さっき、魔物退治中に同じ気配を確認した。泥で作ったような人の形をしたやつだった」
「それ!」
 里珠は思わず大きな声を出した。
「その泥人形みたいなの、私を追いかけてる間ずっと悲鳴を上げてました。その声を目印にして魔物が集まってきてたみたいです」
「――その短剣は、護りのつもりで渡したものだった。竜族の気配があることで、多少は魔物への牽制になるだろうと。それが仇になったんだ、知恵のあるやつが現れて、その短剣があることで俺と里珠殿に縁があると見做した。巻き込んですまなかった、というのはそういうことだ……」
 渡さなければよかったと、言外に言っている。
 里珠は思わず腰の短剣を握っていた。
 この剣のやり取りは、ない方が良かっただろうか。あの時別れて、何のよすがもない方が? 獅苑自身に否定されるのは、何故だかとても辛いと思った。



 あたりの空気が重く沈む。ふと獅苑は話題を変えた。
「竜族には竜珠というものがあるんだ。多分知らないと思うが」
 里珠は首を振った。竜に関わるものだとは予測できるけれど、もちろん里珠は知らなかった。謡うように、獅苑が教えてくれる。
 竜珠とは、元は竜族でない娘が長の一族の伴侶となるときに与えられるもの。
 竜の長たちが伴侶に求めるのは血筋や身分の高さなどではない。ただ、自分の存在を生涯受け入れられるか否かそれだけだ。
 竜という存在を受け入れられる証が、妃となるものの胸を飾る竜珠なのだ。それは、竜の心であって力の一部であり、妃へ竜族の命を与えるものでもあり、そして竜自身の命でもある。だから、魔物にとってはそれを手に入れることができれば、竜の力を弱め自分たちの力を高める糧となる。
「竜珠を持つ娘は魔物の格好の標的になる。だからこそ王城で護らなくてはいけない。それができなければ、その者に不幸を引き起こす」
 過去に竜珠だけを与えられ、護られることのなかった娘がいる。幼い竜が犯した幼さ故の過ちは少女を苛酷な半生に追いやった。少女は各地を点々として魔物から身を隠し、竜は必死になって少女を探し続けた。それが再び出逢えたのは運命だとも言えるかもしれない。
 しかし。
 長い話の途中で、獅苑は息を吐いた。
「……獅苑様?」
 里珠が呼びかけると獅苑の表情は少し和らぐ。


「俺は……明らかにしないつもりだった。竜珠という形がなければ、誰にも知られなければ、危険にさらすこともないだろうと思ったんだ」
 けれど、と獅苑は言葉を継いだ。
「竜珠がなくても、魔物に気付かれれば結局同じことだったな。よくわかった……魔物と一緒に落ちようとしている里珠殿を見たときは生きた心地がしなかった」
 獅苑は里珠に真っすぐ視線を向けてくる。一度、見たことがある。心の奥がぎゅっと締め付けられるような、強い瞳の光。
「最初に逢ったときから、この人に竜珠を受け取ってもらえたらと、思っていたよ」
 獅苑の言葉はゆっくりと里珠の心へ染み込んでいった。そこに込められる温かさはとても嬉しい。先ほどの竜珠の話を聞いたからわかること。想われているのだと、わかる。
 でも、それを話す獅苑はどこか辛そうで、何もかも諦めているような様子だった。真っ直ぐ里珠を見つめているのに、こちらを見ていない。
「今回の魔物はすべて退治した。俺たちのことを知るものもないだろう。見守りの兵士は定期的に巡回させるから、里珠殿が魔物に狙われることも――」

 わかった。どうしてこちらを見ていないと思うのか。
 ずるい、そのまま終わらせて消えようとしないで。待って、話を、聞いて。

 泣きたいような気分で、里珠は思わず獅苑の腕をつかんでいた。
 言葉が途切れる。獅苑は驚いて動きを止めた。
「獅苑様は……わたしに好かれるのは、迷惑ですか?」
 たぶん、獅苑は自分の気持ちを里珠が受け止めるだなんて、想定もしていないのだ。里珠の言葉に、獅苑は頬を赤らめて視線をそらす。手で口元を隠してしまって、表情は見えなかった。
「わたしは、獅苑様にもう会えないと思ったら寂しかったし、また逢えたのが嬉しかったです……」
 許されるならもっと傍にいたかったのだと、今なら痛いほど自覚する。遠い都の人であったし、何度かのやりとりで別れた人であったから、黙って心の中にしまっておくしかなかっただけなのだ。
 里珠は獅苑の横顔を見つめた。腕をつかんだままの手に祈るようにわずかに力を込める。
 獅苑はあらためて里珠を見た。その目にはあの哀しそうな色はない。緩やかに手を振りほどかれて一瞬切り捨てられた気分になったけれど、獅苑はそのまま里珠の頬に触れてきた。ちりちりした感じがして、たぶんそこは枝か何かでついた傷だ。
「俺は一目惚れだ、里珠殿以外に竜珠を捧げる相手なんぞ思いつかない。……だが、竜珠を持つということは、色々なものを失うことだ。なにより西封にはいられなくなるし、自由に帰ってくることもできなくなる」
 竜珠の姫は魔物から守るために結界を強く張られた王城でしか過ごせない。親や友人や、何よりこの生まれ育った土地とは離れなければならない。獅苑はきっと里珠を思って言ってくれるのだろう。
 だが、すべて知ってしまった今、獅苑がいないこの場所で暮らして行けるのだろうか。ここで別れたら、終わりにするつもりの獅苑とは二度と会うどころか顔を見ることも叶わなくなってしまうのに。
「でも、そこにいたら、今よりずっと獅苑様の傍にいられますよね?」
 里珠の即答に、獅苑は呆気にとられた後破顔した。困ったように、嬉しそうに笑う。
「……まいったな。完全に負けた、降参だ」



 獅苑が里珠の手を取る。
「では、里珠殿。俺の妻となって竜珠を受けてもらえるか」
「はい、喜んで」
 引き寄せられるまま里珠は獅苑の腕の中に飛び込む。とても温かくて幸せな気分だった。
 この気持ちは、本物。生まれ故郷を離れても、この人の傍にいたいというのは本当の気持ちだ。
 ぐっと抱え上げられて里珠の身体は宙に浮いた。獅苑は里珠を抱き上げたまま、傍らに控えていた飛竜の元へと歩いていく。
「獅苑様?」
「まずは村へ戻ろう。報告しなければならないことがたくさんあるだろう? あとは傷の手当てとだ」
 獅苑の言葉に、里珠は笑顔で頷いた。



 

 
 ここは竜の末裔の治める国。
 つい先日、二人の王子のうち兄王子が父王より王位を継承し、妃を娶ったと言祝ぎがあった国。
 やがて、龍神と呼ばれる末裔の片割れ―――王弟の隣に、守護の女神と謳われる娘が妃として並び立つことになる。
 竜の宝珠を得てさらに力を増した竜の末裔たちにより、国は長く護られたと、物語にはある。

改稿版 2020.3.14

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