聖剣3 デュラン×リース

物語より切ない



 6人の若き勇者が世界を救ってから、2年が経過していた。  世界はマナを無くしつつあり、だが、世界の全てが協力しあうことで、徐々に新たに歩き出そうとしていた―――。



1.予感




 招待状を受け取ったとき。
 三人はそれぞれ来るべき時が来たと思った。世界のためには、悪いことではないだろう。
 彼女は彼を愛している。そして彼も、彼女を大切にするだろう。
 彼らが招待されるのは、世界救済の仲間であり、そして、一度はこじれかけた二つの国の未来への結び付きを、他の国が認め、立ち会うという意味でもある。
 ケヴィンはビーストキングダム、獣人王の息子、そして後継者として。
 シャルロットは聖都ウェンデル、光の司祭の孫、稀代の聖職者として。
 ホークアイは砂漠の王国ナバール、王の良き右腕、実力者として。
 ただ、素直に祝福できるかといえば……複雑だった。
 一緒に旅をした仲間。かけがえのない友。それぞれの国の重鎮たちより、彼らのことは知っている。
 そしてそれぞれが思ったこと。考えたこと。
 彼女は何故踏み切れたのだろう? 不安にならなかったのだろうか。
 彼は何故承諾したのだろう? 自分のことを知っていながら、迷いはしなかったのか。
 そして……彼女の想いはどうなるのだろう? 絶望を目の前にして、祝宴に現れるのか。
 それぞれが頭を悩ませながら、それでも返事をしたためていた。
『草原の王国フォルセナ・黄金の騎士デュランと魔法王国アルテナ・王女アンジェラの結婚式に出席する』と。



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